こんにちは

前回オーディオブックナレーター募集、オーディションしてもほとんどの人が落ちますよ〜と書かせてもらいました。

オーディオブックナレーターのオーディションは??其の一

 

応募してくださる方はそれぞれ、声の研鑽をし、各業界で活躍されている方も多いのですが遠慮なく落としています。

 

審査の前提には「どんな経歴の人でもオーディオブックナレーションは新人」というのがあります。

朗読で本を読み上げた、一作読み上げた実務経験ある。という方もいますが、私どもの要求するレベルでのオーディオブックナレーションを継続的に読んだ方はいないので、経験者というのはいない。      これが前提です。

 

それではオーディオブックナレーション前提を満たす要素とは何でしょうか?

■大きな前提 読書ができること。活字を活字として読めること。

えっ、そんなん誰でもできることじゃない? と思われるかもしれませんが

殆どの人がここで落ちます。 重要なのであとでもう一度書きますね。

 

■技量的要件 滑舌、腹式、イントネーション、アクセントなどの基本技術

応募される方はスクールなり養成所なりで毎日このあたり、練習されているはずです。

にも関わらず、できていないです。これは教えられても自分の物にできていない。トレーニングの部分です。

また、同じスクールに通っていても師事する先生によっても違います。

日本語は子音と母音の組み合わせですが、子音をしっかり出せる人は想像以上に少ないです。

 

K,Tなど尖った子音 Sの擦過音 正しく綺麗に出てません。

 

ボイスのトレーニングというと早口言葉やキャラづくりの為のトレーニングしていても

書かれた文字を声出して読む事を練習の一環としてされている方はまずいないでしょう?

新聞の天声人語などは文章書く人は必ず模倣して練習する材料です。

 

文字数はたった600文字!原稿用紙1枚半で起承転結 論が書かれているのですから。もうね、匠の領域です。

これを声に出して読むと一文が適切で練習にはいいかと思います。

 

なお、早口言葉 「東京特許許可局」「隣の客はよく柿食う客だ」などありますが

これを早口言葉で言えるのは凄いと思いますが、できなくて当然です。

ローマ字変換してみて下さい。

 

きづきましたか??

 

「Tokyoutoxtukyokyokakyoku」「tonarinokyakuwayokukakikukyakuda」

 

子音のTとKの連続です。

KKとかTTなど連続すれば更に難しいです。

PやFの行音連続も難しいです F,Hの行の音は一段と難しいと思います。

 

なので重要なのなのは マイクを通したときにTOならKAなどはT、Kの子音がきちんと立っているかどうかです。

この立つが鋭さに繋がります

 

Sならどこまで下を擦過して濁らせられるかどうか、Fなら息が如何に綺麗に塊として当たるかどうかです。

 

自分の音がマイクできちんとのっていいますか?

 

■自分の声がマイクにきちんと通っていますか? 見たこと分析したことどれだけあります?

よくパイロットで実務飛行時間何百時間とかでることがありますが、

このコラム読んで頂いている方の職業道具は「マイク」です。

 

マイクにも非常にたくさんの種類がありメーカーがありそれぞれ特徴、個性が異なっています。

技術的な仕組みまで理解しろとまではいいませんが、自分の声がこのタイプのマイクに当たるとどのような音が生まれるのか当然知っておくべき情報です?

 

で、一つ質問ですあなたのマイク録音時間は通算何時間ですか?

 

現場見ていて大体、真剣に取り組んで70時間程度マイクに向かってトレーニング(師事あり)でようやくマイクの使い方、声のあて方が自分の血肉になるかなあという感じです。

 

漫然と、あるいは流しての70時間ではありません。本番または同様の緊張感の中ブースで格闘した時間です。

マイクが商売道具なのにマイク前本番レッスンされている方はほとんど見かけません?確かにそんな場所もなかなか無いのですが、やることは可能です。

 

■最後に、日本語読んで読んで、句読点含めて本の中身理解して下さい。

最初に書いたことのおさらいです。

日本語のリズムは独特なものがあります。古典や五七調はいうい及ばず、書かれた文章は作品それぞれのリズム感があります。

それぞれの、文章には句読点、段落、章で書き手は独自のリズムを作っています。(それらが行間に含まれます)

 

オーディションをした時に圧倒的に多いのがその書かれた作品のリズムは何で作られて、構成要素になっているか

いやもっと単純に句読点含めた日本語のリズムそのものが無茶苦茶です。

とんでもないところで文章切って自信満々に読んでいる人も多いです。

 

たとえ自分の表現が許される朗読であったとしても、基本の日本語のリズム、文体壊すのはありえません。

歌でもベースの音律は絶対です。そこに自分の解釈でその音律を基調に音階を一つ上げるとかなどは許されますが、それと一緒です。

 

日本語のリズム、更にはその作者の持つ要求するリズム

 

あなたは読めますか? 或いはそれを意識して読み上げたことありますか?

これはやはり、ベースには読書量というバックボーンがなければ成り立ちません。

人生で本最低1000冊読みましたか?

 

結局それだけです。

 

本好きでないとオーディオブックナレーターにはなれません。

 

本好きでマイクに向かう事のできる経験値ある方、是非お待ちしています。

 

もう1,2回オーディオブックナレーションに関するコラムまた書きますね。

 

次回は

オーディオブックナレーションは書道?

という感じでコラム書いていきます。二週間後を予定しています。