著者:
夏目漱石
朗読:
相原麻理衣
出版:
アイ文庫
収録:

掲載日 ジャンル:

商品紹介

「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。
小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。
なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。
別段深い理由でもない。……小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。……」
この親をして、この子あり。この子をして、この物語あり。子どもの頃から無鉄砲で、曲がったことが大嫌い。
松山の中学に赴任した新任教師、江戸っ子“坊っちゃん”の痛快無比な物語。全編で約5時間半の大作です。

Wikipedia

著者 夏目漱石
作品 坊っちゃん

坊っちゃん団子

坊っちゃん列車

ライターズレビュー

「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」
そりゃ損するよ、アンタ。
こんなにやり放題していたら、損もするよ。しなきゃおかしいよ。
「母が病気で死ぬ二三日にさんち前台所で宙返りをしてへっついの角で肋骨を撲って大いに痛かった。母が大層怒って、お前のようなものの顔は見たくないと云うから、親類へ泊りに行っていた。するととうとう死んだと云う報知が来た。」
このあと父兄に怒られて口惜しがっているが、わたしが父ちゃんや兄ちゃんでも怒るわい!死ぬ寸前まで母親心配させくさって!!!ぜったい母ちゃん成仏できてないよ。アンタのうしろについてまわってもう無い胃袋を痛くしてるよ。
独り立ちして、松山に教師として赴任した時も、校長から
「生徒の模範になれの、一校の師表と仰がれなくてはいかんの」
と訓示を受け、
「人間は大概似たもんだ。腹が立てば喧嘩の一つぐらいは誰でもするだろうと思ってたが、この様子じゃめったに口も聞けない、散歩も出来ない。そんなむずかしい役なら雇う前にこれこれだと話すがいい。おれは嘘をつくのが嫌いだから、仕方がない、」と、「到底あなたのおっしゃる通りにゃ、出来ません、この辞令は返します」と申し出る。そりゃ校長だって狸みたいな目をパチクリさせるよ。
一事が万事この調子。
文句が多いし、自分の正義を疑わないし。
「貴様等は奸物だから、こうやって天誅を加えるんだ。これに懲こりて以来つつしむがいい。いくら言葉巧たくみに弁解が立っても正義は許さんぞ」
と、上司ぶん殴って相棒とそろって教師やめちまうまで、もう、つっこみまくり。
――いや、わたしは自分が、TV見てても、ニュースみてても、ビデオ見てても、うるさい人間だとは自覚してはいますが、今回ばかりはヒドク忙しかったよ・・・
でも、ですね。
つっこまずにはいられないのは絶対に!わたしだけではないと断言する!
ニコニコ動画で流してみてほしい。
もう画面みえないくらいになると予言する!

ああ、モウ、本当に、腹蔵のない脊椎反射みたいな生き方、ほんとうにお坊ちゃんだねえ!
本当に、あんた、群れ意識が強く命令に従順だと世界で大評判の大和男子かね?
ああ、もう、本当に、なんてうらやましい!

困った奴だな、君は!!!

坊っちゃんの舞台

道後温泉

道後温泉
道後温泉

松山城

松山城

坊っちゃん列車

坊っちゃん列車
坊っちゃん列車

こんなのも・・・

dougo06

定番ですね。さあ貴方も坊ちゃんに!

dougo07

道後温泉旅行 クチコミガイドより

坊ちゃんと松山と漱石

Q:松山の人たちは夏目漱石の「坊ちゃん」をどう思っているんですか。つーか、読んでるんですか。

あんまりな扱いにちょっといたたまれないんですけど。
これが正しい「坊ちゃん」のあらすじ。
人生適当に流れで教師になって松山に赴任した坊ちゃんが、なんだこのド田舎は、どんくさいやつらばかり、やっぱり東京がいい、温泉しかないじゃないか、飯もまずいし、なまり丸出しのくそガキどもなんかどうでもいい、同僚もバカばっかりだ、情もカケラもありゃしない、キモイ踊りしやがっておかげで職を失ったじゃないか、ウホッ山嵐先生、ああ、婆やに会いたいなあと、毎日愚痴ばっかりで過ごした短い間のお話。夏目先生次回作にご期待ください、ってな終わり方。

A:「坊ちゃん」に対する松山の人の感想をいくつか集めてみました。どうやら、松山の人は度量が広いようです。
※最後のURLは、アンケート調査のようです。

●坊っちゃん (夏目漱石) – 本の迷宮

>昔、子供の頃初めて「坊っちゃん」を読んだ時、舞台である松山の事を思い切り田舎だと馬鹿にしてるじゃないか!!と思った。ちょっと腹も立った!
しかし、愛媛県(特に松山市)では、「坊っちゃん饅頭」とか「坊っちゃん列車」とか何かと色々なものに「坊っちゃん○○」という具合に「坊っちゃん」という言葉を付けている。そして、みんなで夏目漱石を持ち上げているのだ!
「ね~みんな!!思い切り馬鹿にされてて腹がたたないの~!!??」・・・と叫びたいぐらいだった。松山の人たちは「坊っちゃん」を読んだことがないのか?いやいや、そんなことはないだろう・・・。商売になるから腹は立つが「坊っちゃん」の名前を拝借しているだけなのだろうか???そんな風に若い頃は考えていた。
しかし、歳をとった今、松山の人たちが「坊っちゃん」を愛する気持ちが何となく分かってきた。今思うと、坊っちゃんって「青臭い正義感溢れる若者」に過ぎないのだ。そんな若者がぎゃあぎゃあ喚いてる事に対して本気で怒ってどうするんだ。そういう若者には「よしよし、まあ、そう怒らんでもちょっと一緒に飯でも食わんか?」・・・という感じなんだろう。
要するに松山の人は「おおらかでゆったりした気持ちの優しい<大人>なんだ」・・・今ではそう思える。たぶんそれが正解なのだろう。大人になって初めてわかる感情というものもあるようだ。そう考えると歳をとるっていうのも悪い事だけでもないようだ。

●かとー機関 『坊っちゃん』≒『どらえもん』説

>私は松山に住んでいるのですが、学生の時クラスで坊っちゃんを読んだ際 最後に「不浄の地」と書かれていてクラスが静まりかえったことがあります。

なにも松山を否定せんでもよかった思いました。

http://katokikan.blog39.fc2.com/blog-entry-26.html

●近代文学・名作舞台人気ー1位 「坊ちゃん」 松山|シギーのブログ

>友人に宛てた手紙に「当地下等民のろまの癖に狡猾に御座候」とつづっているとのことです。

いやあひどいコメントです。東京の中でもエリートである漱石の松山への評価でしょうか?
それでも松山の人達は漱石を敬愛しています。

○上記「シギーのブログ」内コメント

>今日地元情報誌をなにげなく見てたらやっぱり、小説坊ちゃんについて書かれてて実は松山のことをこきおろされてるのに、松山の人は、坊ちゃんとなんにでも冠うって坊ちゃんの舞台になったことを誇りに思ってて寛大だ・・・みたいな意見でした。おもしろいな、と思いました
個人的には坊ちゃん好きですけどね(‘-^*)/

(財)松山観光コンベンション協会-小説坊っちゃんの世界へ

>小説『坊っちゃん』を読んだ松山人の心境はいささかフクザツ。というのも主人公坊っちゃんは、松山(とは作中では明確に記されていない)という土地をどうも気に入っていない様子。赴任後すぐに“ばあや”の清に出した手紙の書き出しは「きのう着いた。つまらん所だ」、町を歩けば「こんな所に住んで御城下だなどと威張ってる人間は可哀想なものだ…」と、田舎町をさんざん批判する。またそこに住む人や生徒に対しても、あくまでも辛辣な調子。最後には「不浄の地」とまで書かれてしまうのだから、人情豊かな松山の人にとっては心外なことこの上ない。だが、そんな『坊っちゃん』をこよなく愛し、漱石への畏敬の念は今なお健在。松山人が実に心が広いのだ。

●Pu&Fuの研究室だより : 坊っちゃん大句会 その1 松山と「坊っちゃん」

>7人の話の中で、一様に出て来たのが、なんで松山の人は、あれだけ松山の悪口を書いた漱石の「坊っちゃん」を持ち上げて、こんな催しをするのか、ということ。

これに対する博物館館長(松山市の子規記念博物館)のお答えは、松山の人は度量が広いんだ、ということと、漱石も松山が嫌いなのではなく、その証拠に「坊っちゃん」の中の伊予弁なんかは、松山出身の高浜虚子に手をいれてもらっているのだ、という話をしていた。

http://tiikikeiei.exblog.jp/3263055/

●松山市民の『坊っちゃん』読書率アンケート(自治体が主催する文学賞)

http://www.taisei.ac.jp/jp/iwjc/bulletin/30/30-4.pdf

人力検索はてなより

坊ちゃん的いろいろ

坊っちゃん湯 道後温泉本館のこと
坊っちゃん列車 伊予鉄道株式会社が運行
坊っちゃんスタジアム 松山中央公園野球場の愛称 サブグランドは「マドンナスタジアム」
坊っちゃんエクスプレス 松山-高松間の高速バス。なお岡山方面は「マドンナエクスプレス」
坊っちゃん団子 松山市の銘菓
坊っちゃん文学賞 松山市が市政百周年を機に創設した公募形式文学賞
坊っちゃん劇場 愛媛県東温市にある劇場
坊っちゃん 東京理科大学創立125周年記念公式キャラクター
ぼっちゃりん 松山けいりん公式マスコット

 

リスナーズレビュー

坊ちゃんは友達いないのかなあ?おもしろいひとだと思うんだけど。(中学1年生 女性)

狭いコミュニティのなかで周囲の目を気にしながら「うまく」生きていく人たちと、坊ちゃん。ママ友世界につかれたわたしには、坊ちゃんがうらやましかったです。でも、逃げていけるからこそできることですよね。(40代 女性)

ことのは出版では作品を聴いてレビューを書いてくれる方を募集しています。 オーディオブックを体験したいという方は「オーディオブックリスナー募集」まで

関連書籍

坊っちゃん (新潮文庫)

夏目漱石全集〈10〉 (ちくま文庫):『坊っちゃん』収録

漱石の思い出 (文春文庫) [文庫]/夏目 鏡子 , 松岡 譲

夏目漱石博物館―その生涯と作品の舞台 (建築の絵本)

関連リンク

『夏目漱石』 – Yahoo!百科事典

東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ

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