商品紹介
「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。……」
あまりにも有名な一節で始まる、漱石のロマンティシズムの極致を示す名篇。
カナダの名ピアニスト、グレン・グールドも愛読していたという漱石の「草枕」 画家の“非人情”紀行は変人美女の登場でどんな展開を見せるのか?漱石ならではのユーモアと芸術論を交えた、じわりと面白くなる奥深い名作を、渡部龍朗が全編朗読!
Wikipedia
作品 草枕
著者 夏目漱石
朗読者 渡部龍朗
ライターズレビュー
草枕は1906年に『新小説』に発表された。
処女作『吾輩は猫である』が発表されたのは、1905年1月、翌年8月まで『ホトトギス』で連載された。
書かれた時期が近いせいか、本作は『猫』に似た雰囲気を感じる。後年の作と比べてどうのとか難しいことはおいておいて、まずなにより筋がない。
文学論がある。
芸術論がある。
日本と近代化に関しての考察がある。
花に朧な女がいる。
「人情」がある。
「非人情」がある。
40才にならんとする漱石の人生観もうかがえる。
少々難しい言葉が多いのだが、ユーモアがあり、楽しんで味わえる。
が。
それを味わうは2度目でいい。3度目・5度目でいい。
まずは最後まで聞いてほしい、
耳に流れるうつくしさを味わってほしい。
この世は存外良いところだと、感じてほしい。
なんといっても、「人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」から。
草枕の舞台
那古井の宿――熊本県玉名市にある前田家別邸

ここは当時、第1回衆議院議員を務めた小天の名門前田案山子の別邸で、明治30年暮、五高教授夏目漱石が訪れ、正月の数日を過ごした宿の跡です。
漱石は、 この時の体験をもとに、後に名作『草枕』を発表。作品中「那古井の宿」として描かれているこの屋敷跡には、今も漱石が宿泊した「離れ」(漱石館)と裸体の 女と出会う名場面を生んだ浴場が残されています。

前田家別邸HPより
リスナーズレビュー
女がいい。色気がある。なにがあるでもないのに鼻血が吹きそうな(失礼)女を書ける作家は、他にはいまいね。(70代 男性)
本を読んだ時は索引が多くてつらいばかりでしたが、こちらは聞きながら索引を引けるので楽しめました。(40代 男性)
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