商品説明
娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた・・・
そのとき、娘さんは、奥さんは、何をおもったろう。さみしかったのではないか。うらんでいたかもしれない。すくなくとも、すごいなあ、立派な人だなあ・・とは思っていなかったに違いない。
家庭をさしおいて、義務を優先した男が、単純に偉いとは思えない。
けれども、ひたむきに懸命に生きてきた姿には、敬意を表さずにはおれない。・・こんな風な尊い生き方ができるかどうか。いやまず、そんな風に生きたいと思えるかどうか。
涙をさそいがちな胸にせまる小説を、朗読演出家水城雄と榊原忠美のコンビが渋くよみあげました。
文芸「作品」として命を吹き込まれたオーディオブックです。
その品質を是非とも味わいください。
Wikipedia
作品 鉄道員
著者 浅田次郎
ライターズレビュー
『鉄道員』は浅田次郎が「散歩しているときに、あのストーリー全部が一瞬にして頭の中に降って来た」そうだ。
そしてそのストーリーを、著者は、モデルとした地を実際訪れることなく書いたという。
そのほうが「ロマンのある作品になる」からと。
その結果、
北国、冬、雪、炭鉱、国鉄ローカル線、廃線、やもめ、愛娘、愚直、無口、仕事一途、定年、友情・・
ロマン満載だ。最初から「泣かせてやろう」という意図がありありとしていてかえって鼻に付くほどだ。しかも煽りが「心を揺さぶる“やさしい奇蹟”の物語」!!お涙ちょうだいデスネ~
なのに。
・・・聞くと、泣けてしまった。
「死んだわが子もはたふって迎えるのか?」
「俺ァ、ポッポヤだから、身うちのことで泣くわけいかんしょ」
渋い男のこえ。
何故か『ビルマの竪琴』の「アア、ヤッパリジブンハ、カエルワケニハイカナイ」を思い出した。
男は行かなかった。
男は言わなかった。
男は泣かなかった。
生涯を仕事に捧げつくしたような、男の一生。
こういう話が受け入れられる素地がたとえば神風特攻隊を、自殺世界一の国日本を、うんだのかもしれない。
それでもわたしは泣いてしまった。
圧倒された。
日本の男の美学だと、思った。
映像化のときの舞台

幾寅駅

キハ40 764
リスナーズレビュー
北海道に旅行にいく飛行機の中でないてしまってはずかしかった。次に北海道にいくときは函館や札幌みたいな都市ではないところに行ってみようと思う。(20代 女性)
自分の一生に似ていて、なんともいえない気分になった。(60代 男性)
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