母久美を拒絶できない自分を葬るように吉岡は然別湖の旅館の主になった。火山の噴火に堰き止められ特別な進化を遂げた湖には、今も深い「湖底の森」が広がる。海に帰れなくなったオショロコマと、久美を拒絶できない自分を葬るよう湖の旅館の主になった吉岡。その湖に生きる宿命(さだめ)とは…(「湖底の森」)。 母の死をきっかけに雪子の遠い記憶が蘇る。初恋だった担任の先生、校庭での事故、治療、薬、先生の訪問――。 先生が私の両手首をネッカチーフで頭の上で縛った痕から、 遠い“午後の記憶”が、手繰り寄せられていく・・・。やがてそれらが、一つにつながり、先生と母との関係を浮かび上がらせていく・・・(「午後のメロン」)。珠玉の愛を生きる高樹のぶ子が贈る、熱く、せつない大人の愛の物語。 (C)wis
湖底の森、午後のメロン

- 著者:
- 高樹のぶ子
- 朗読:
- wis
- 出版:
- 響林社(<声を便りに>オーディオブック)
- 収録:
- 1:33:14