神田豊島町一丁目の柳原土手に面した〔芋酒・加賀や〕はごく小さな店であったが「いやもう、加賀やの芋酒をやったら、一晩のうちに五人や六人の夜鷹を乗りこなすなざあ、わけもねえ」と、近辺では評判がよい。その〔加賀や〕を一人できりまわす老店主・九平の生き甲斐は庖丁を持つこと、そしてもう一つ、“お盗め”で、あった。 (時代小説)監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史
兇賊

- 著者:
- 池波正太郎
- 朗読:
- 三好翼
- 出版:
- ことのは出版株式会社
- 収録:
- 1:25:13